前回は実像からAIが作り出した像を仮想空間に3D再現できたら、
すぐそこに相手がいるような親近感を生み出すだろうというものでした。
今回は、そこにもう一つ隠し味を加えることで、相手の存在をより現実的に再現できますよという話です。
オンラインミーティングで相手が確かにそこに「いる」と感じさせる役割は視覚で捉えることができる表情や仕草だけでは物足りないし、
長くリモート会議・リモート授業している人には分かってもらえると思いますが、何か平面的で紙芝居を延々と眺めているような疲れを感じます。
講師が今そこにいてこちらに向かって話しているという臨場感や相手とのコミュニケーションの質を上げるためには、映像と声だけではなく相手から生じる音が必要だったのです。
ペンを走らせるときの紙との摩擦音、パソコンのキーボードを押す音、靴音、椅子の軋む音、衣擦れ(きぬずれ)音などです。
これは京都大学と熊本大学が多数の被検者を使って調べ、Scientific Reportsに4月4日掲載されました。
相手が発する音は相手の実在感を生み、相手との意思疎通が可能になり、知的共同作業も効果的に行われるだろうということです。
3Dアバターに音も加えれば、たとえば、
空間内の相手が動き回ったときの足音や衣擦れ音、隣の部屋で鳴る電話の音、窓外のかすかに聞こえる喧騒・・・
これらをたとえば4チャンネルステレオで再現できれば本当に臨場感あふれる3D空間になります。
あまりに発達して皆さんが利用しすぎたなら、JRなどの運輸関係の方々は困るでしょうね!