小学生低学年から中学年にかけて、そろそろ歯みがきの独り立ちの頃ですね。
急に「今日から一人で磨きなさい」と言われても、なかなか上手くできるものではありません。
子供にとっての歯みがきはかなり複雑な動きを必要とする運動です。
大人でも、歯ブラシを当てる力が強すぎて歯茎に擦り傷を作ったり、歯茎が退縮してむき出しになった根が知覚過敏になったり、歯が擦れすぎてどんどんえぐれていく例はよくあります。
ちなみに、2017年のオハイオ大学の調査で、歯みがきが上手だった子供(5〜11歳)の特徴を示しているので、以下に列挙します。
1.字を丁寧に書く
2.自分の住所を郵便番号を含めて書くことができる
3.靴ひもを結ぶことができる
4.食べ物を一口サイズにナイフとフォークを使って切ることができる
5.複雑な型をはさみで切り抜きできる
6.一人で上手に皿洗いができる
7.楽器を上手に演奏できる
靴ひも、ナイフとフォークっていかにもアメリカ的ですが、それでもこれらの項目は大いに日本でも参考になります。
単に手先が器用ということだけではなく、考えながら丁寧に行動する習慣が歯みがきにも顕著に表れているのでしょう。
子供の生活習慣というか、ひとつのことをきちんとこなす、そういったような行動が歯みがき後の磨き残し度に表れるんですね。
では、歯みがきに時間をかければいいかというと、そうとも言えないのです。
歯みがき時間が長いからといって必ずしも上手に磨けているということではないのです。
年齢とともに歯みがき時間が長くなるということはない、ということも最新の調査でも明らかになっています。
いかに手際よく、効率的に行うか、これがポイントです。
さて、実践編ですが、下の『磨き残しチェックの図』を参照して下さい。
plaque3 全く磨けてませんね
plaque2 もっと丁寧に磨きましょう
plaque1 歯茎との境は難しいけど頑張ってもうちょっと磨こう
plaque0 いいね!!
歯垢(プラーク、あるいは、最近では細菌だけの固まりではないことからバイオフィルムと呼ばれています)は
白くてザクっと見ただけでは分かりにくいので、爪楊枝でなぞったりして磨き残しをチェックします。
↑これが親の仕事です。
上手に磨けるようになって、OKになったところではじめて独り立ちです。
追記:手磨きと電動歯ブラシでは磨き残し度に差はないと言われています。
いくら優れものでも汚れている場所に的確にブラシを当てないと電動でもダメってことですね。