寒くなってきましたが、
床暖房にすると快適で生産的な在宅勤務の実現に貢献します、
という2025年10月に発表された慶応大・日本ガス協会の共同研究を紹介します。
受験シーズンも迫ってきましたし、この研究が受験生にも役立つでしょうか?
ざっくりと研究のストーリーを下記に示します。
机の上くらいの1.1mの高さを23℃に統一して、床上温度を27℃と20℃という2つの温度差グループを設定して比較を行いました。被験者は16名です。
1)床上温度が27℃の方は
↓
2)足先の皮膚温度が上がる
↓
3)温度に快適さを感じる
集中度が増す
↓
4)考えさせる作業へのパフォーマンスが上がる
以上から、高い生産性を実現するにあたり、床暖房の活用が効果的であることを示したと結論付けています。
それでは、少し考察してみましょう。
手法について:①床上27℃の方は床暖房、20℃の方は対流式エアコンを使用しています。20℃設定は典型的な日本の家屋を想定したようです。
②どの季節に実験したか分からないことと、室内照度が2つのグループ間で統一されていないので、温度以外の要素が関係していたかもしれませんがそれは不明です。
統計について:結論を導き出すために4階層を形成していますが、サンプルが少ない(16名)場合は階層を下げる必要があります。4階層はちょっと多すぎではないでしょうか。
WHOの報告では、高齢者や慢性疾患の人には18℃以上が必要とされています。
「住宅における良好な温熱環境実現推進フォーラム(2025年)」では、床上1mの室温が16℃以上、床上温度は15℃以上を暖かい住宅として推奨しています。
「東京都福祉局」では、暖房の温度は17~22℃くらいに保つと身体によい、足元との温度差は3℃以内に収めることがよいとしています。
今回の研究では、室内温度と床上温度が23℃と27℃に設定されており、上記に明記されている推奨温度の範囲を超えています。更に、床暖房の最適温度、あるいは、室温との最適温度差が明らかにされていません。つまり、設定された温度条件では、床温度が「室温より低いか同じ」より「高い」方が頭が働くよって話でした。
さて、これでガス式床暖房を導入しようと検討する人はどのくらいいるのでしょうか。